「ロボットがもし東大に入れなかったとしても、コンピューターがホワイトカラーの仕事を奪っていくのは間違いない。(東大合格を目指す)『東ロボ君』の大学入試偏差値が『55』になるか『60』になるかで、失われる仕事のタイプを予見することが可能だ――。」(日本経済新聞 電子版 2015/03/14)
と言う記事があった。ホワイトカラーの例えばどんな職種であるかという質問では、銀行の融資係のような数式を駆使すればできる仕事はなくなるそうである。「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトを指揮する国立情報学研究所(NII)の新井紀子教の言である。
現時点で多くの大学に入学できる能力があるらしいが、果たしてホワイトカラーの仕事がなくなるだろうか?ブルーカラーにおける産業ロボットの台頭に関しても生産能力とコストダウンに貢献した事は確かである。しかし季節工など労働力は需要が増えれば足りなくなる状況である。その意味ではロボットは人に取って変わっているとは言えない。
一方ホワイトカラーの仕事も無くなると言うが、東大出がみな社会適合力があるかと言えばNoである。知識だけでは仕事はできないからである。ビジネスが人を基準に行われている限り、「調整」「妥協」「説得」などの機械的にはいかないやりとりが多く残る。
この分析、判断に関しては、統計学的な数式回答はロボットとかシステムが出すだろうが、それは判断の材料にすぎず最終的に決断するのは人間である。必ずしも回答数字を見て、これで行こうとはならない。政策的な動き、人の嗜好、周囲の動きなど総合的に判断して、自社が何をすべきかを決める意思決定が行われる。このような思考がロボットにできるようになれば人の仕事が減るのかもしれない。
但しロボットが今後何かとビジネスに係わって来る事は確かだろう。ここで他社にアドバンテージを取るためには、今から業務の性格を把握して「ロボットには何をやらせるか」「人間は何をやるべきか」を考え始めるのが良いだろう。手始めにソフトバンクのPepperを導入するのも良いかも知れない。
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