2015年8月27日木曜日

ついにアマゾンも!動画「見放題」参戦 日本で9月開始へ

「米ネット通販最大手のアマゾンは9月から、日本で映画やドラマなど動画の見放題サービスに参入する。ティム・レスリー副社長がインタビューに応じ、明らかにした。(朝日新聞デジタル2015/08/27)」

「アマゾンの動画配信サービス「プライム・ビデオ」は、有料サービス「アマゾンプライム」に登録すれば動画を好きなだけ見られるようにする。インターネット通販の日時指定の配送サービスなども使い放題となる。プライムの年会費は3900円で月額にすると325円で利用できる。(日経新聞電子版2015/08/27)」



ついに横綱登場か?ネット配信はアップルミュージックによってストリーミング配信が始まり方向性が決まったが、動画についても同じ流れになっている。こう言った傾向はコンテンツの品質維持に関して多少の疑念は抱く物のこれかれの趨勢になっていくだろう。
リンクに表示されるテキスト

Amazonは特にプライム会員には無償での提供で、これまで安かったNTTのdTVの500円を下回った。筆者は海外ドラマを見たかったのでhuluを使っていたが、映画の量も少なくこれまでのアドバンテージが感じられなくなってきた。


Amazonとしては、プライム会員を増すためのサービスと位置付ける事がデキる。プライム独自の配送サービスでかなりのお得感もあるのだが、さらにこれにサービスを追加して定額収益を確実にするための施策とも言える。したたかなAmazon戦略が見えて来る。

群雄割拠するなかで、どれが一番になるか分かりずらいが、この他にも楽天もサービスを提供しており、競争の激しさが増すだろう。

2015年8月24日月曜日

超小型を実現 液体に沈む「データセンター」 富士通

「同社が構想するのは、プロセッサーやDRAMが載ったサーバーのメーンボードやストレージ、ネットワーク機器全てを不活性液体に沈めて冷却するデータセンターだ。この技術によって、人の背を超えるような高さのサーバーラック20台を、浴槽の半分程度の大きさの液浸槽3~4台に置き換えられるという(図1)。」(日経新聞電子版2015/08/24)

日経新聞電子版2015/08/24


画期的な技術がでてきたようだ。水冷のサーバー自体は珍しい話ではないが、データセンター毎水冷にする発想は素晴らしい。省エネ効果だけでなくオフィスコストも大幅に削減される。この技術はベンチャー企業のExaScalerが開発した技術を使うと言う。

日経テクノロジー(2015/05/12 18:26)

ただ直感的に思うのはメインテナンスなどで不便はないか?だ。空冷では普通の部屋と同じなので当然人がサーバー間を移動できる。ケーブルなどの付け替え、ボードの入替などもやりやすい。しかし水中となれば、サーバー自体を持ち上げるか、人が水中に入るか?面倒があるような気もする。ここで面倒な作業があるとすれば、ここでのコストも考えた上で検討する必要がある。

またそもそも液体を入れる建物(部屋)の構築コストである。通常の空冷に比べてこのインフラコストはかなり大きくなると思われる。また不活性液体がどれくらいの期間有効か?など実際に使えるまでには、まだ時間がかかると思われる。

2015年10月以降に、まずは富士通の社内向けシステムで利用して評価する計画されるそうなので、またこの結果を知りたいものである

2015年8月17日月曜日

犯罪を未然に防ぐ・新しいIT活用

警備会社のALSOKはいわゆるタフスマホをパナソニック製と京セラ製合わせて4000台を投入した。今年の1月である。これ自体は珍しい話でもないが、大量投入である事とこれまでの携帯電話式の指示端末からは大きく飛躍したかつ大型投資である事は注目される事実だ。



今回この記事で注目したかったのは、ITを活かした犯罪予防である。


警備会社と言えば、「事件が起こったら駆けつける」と言ったミッションがメインであったが、これからは違う。「カメラが捉えた要注意人物の顔を「顔認証技術」で瞬時に解析し、あらかじめ不審者の顔を登録してある「ブラックリスト」と照合。カメラに映った相手を特定する。不審者と判定されると、隊員のスマートグラスのモニターやタフスマホにその顔情報が表示され、隊員は不審者を追跡する。(日経新聞電子版2015/08/17)

ALSOKはITを活かした防犯に力を入れていると言われているが、これ程にシステムと隊員を連携させていればかなり高度な利用法を手に入れている。ドローンや自走型ロボットの投入である。またグラス型端末(GoogleGlassのようなもの)も開発済らしい(実装はまだ)。

(日経新聞電子版2015/08/17)


 「つまり、ITの力を最大限に引き出せば、隊員の配置を最適化し、犯罪の抑止効果を高めて事件や事故を未然に防ぐ確率を上げられる。「問題が起きた後にその被害拡大を防ぐ」という従来型の警備の先を行く、予防型の警備に進化できるわけだ。」(日経新聞電子版2015/08/17)

(日経新聞電子版2015/08/17)

海外でも犯罪が置きやすい地域やGPSを付けられている犯罪者の動きなどをMapにドットで表記して防犯、注意を促すアプリなど出てきている。SF的な世界で未然に犯罪が減らせるなら多いに活用して欲しい。ただやり過ぎると人権侵害にも結びつくので慎重な対応は必要だろう。


2015年8月13日木曜日

IBMがMac導入支援サービスMobile First Managed Mobility Servicesを開始

IBMは現地時間201585日、企業における米Apple(アップル)製コンピューター「Mac」の導入を支援する新サービスを発表した。企業が既存のIT(情報技術)インフラに迅速かつ安全にMacを組み込めるようにする。」(日経新聞電子版2015/8/6 23:00

最近AppleとIBMのビジネス連携が目につくようになってきた。ちょっと前だがIBMがMacを導入支援する事になったようだ。デザイン会社などが大量にMacを導入する際、セキュリティを確保しつつ、利便性を高める総合的な管理サービスと言えるだろう。


IBMはレノボにPC部門を移管して、あの丈夫なビジネスPCを手放した。以降ハードに依存しない体質に変更してきたがついにMacをIBM社内でも使う様になっていた。そのノウハウが今度のサービス提供に繋がったようである。

IBMのサービスはいくつもあるが、今回「Mobile First Managed Mobility Services」に加わったようだ。
Mobile First Managed Mobility Services

これはSaaSでもオンプレミスでも提供できるようだが、企業がMacを注文すると設定が事前にされていて、手元に来たらネットワーク経由で個人設定や業務用アプリをダウンロードできたりする仕組みになっている。


このサービスの品質に関しては、「ガートナー社の「Magic Quadrant for Managed Mobility Services」レポートで IBM はリーダーに位置付けられました。2013 年にこのレポートが始まって以来、この「Leaders Quadrant」の位置を獲得した IT サービス企業は IBM のみです。」という事らしい。

http://www.ibm.com/mobilefirst/jp/ja/mobilefirst-for-ios/

iOSアプリの開発なども共同で行っており、ビジネスアプリの品質・量など加速するだろう昨年7月のビジネス提携から本格的に稼働してきた様子がわかる。


リクルートに続き日本マイクロソフトもテレワークへ(ライフスタイルを変える)

「日本マイクロソフトは2012年から、社内でテレワークを実践してきた。プロジェクトや作業目的に合わせて、従業員が座席を自由に選べるフリーアドレスの導入や、オフィス外や国外から社内環境にアクセスできるモバイル活用などだ。同社マイクロソフトテクノロジーセンターの小柳津篤エグゼクティブアドバイザーは「効果を測定したところ、社員1人当たりの売り上げが26%向上した例もある」と話した」(日経新聞電子版2015/08/12)

(日経新聞電子版2015/08/12)
リクルートは「6月から約140人に試験導入したところ、4割以上に労働時間が減る効果が出た。大半が継続を希望しており、10月の全面導入時は少なくともグループで数百人が在宅勤務を選ぶ見込みだ。」(日経新聞電子版2015/08/12)と言う事である
ここに来てテレワーク・在宅の記事が多くなったが、需要なのか?人手不足の解消?なのか定かでは無い。大手企業がこのような取り組みをする一方で、本当に人手の無い中小企業ではこのような措置を取るのが難しいのではないだろうか?またこれらの企業はソフト系企業であり物を作るための生産設備を持たない業種である。

これをもってテレワークの普及を目指すと言われても、政府の言う2013年6月14日に閣議決定した「世界最先端IT国家創造宣言」で提唱している企業のテレワーク導入は難しいと思われる。

ただこのような取り組みの推進が、ワークスタイルの変更を促す機会になることも、ノウハウを蓄積する事も可能になる。生産設備のある工場もロボット化され人が遠隔で監視できるようになればソフト系企業のようにワークスタイルを変える事ができる。また生産関係企業でも管理部門に関してはテレワークができる部分もある。

いずれの場合も、テレワークにおける仕事のやり方、評価の仕方など多くの課題があると思われる。プロセスが見えない分、成果主義に陥る事もあり一概に諸手を挙げて推進できるに至るには時間がかかるだろう。



2015年8月12日水曜日

Appleにみるリスク管理 自動車への考え方

前回SAPのインダストリカンファレンスでもAutomobileがテーマになっていた。世界中で自動車にかかわる動きが変わってきている。特にモーターが使える電気自動車の出現で組み立てが単純化された事もあり、参入障壁が下がったとも言える。

アップルの自動車参入

Appleが自動車産業に参入する事は事実になって来ている。BMWのi3(電気自動車)がベースになるとの意見がある。


ネタ元のManager Magazinによると、アップルのCEOことティム・クックと同社の重役が最近ライプツィヒでBMW i3の生産ラインを視察したそうです。またアップルの視察チームはBMW i3に採用されたカーボンファイバー製ボディなどにも興味をもったそうですよ。BMW i3といえば、ハッチバックの電気自動車。アップルが電気自動車への参入を狙っているのなら、格好のお手本となりそうです。この交渉はまだ合意には達していないそうです。(2015年7月27日 10時00分


アップルのリスク管理とは?

何がアップルのリスク管理かと言えば、それは調達の考え方である。これは実はSAPカンファレンスでも言われていたことであるが、いわゆる標準品の利用である。日本は独自の技術に拘ることがあって、各社最先端の技術を求めて開発にいそしんできた。しかしその技術は会社独自のものになり、そこから調達した部品はその会社独自のもので他社からは提供する事ができない。

調達元がなんらかの要因で部品提供できなく成ったときに、その部品を使って組み立てている企業は製品を作る事ができなくなる。このリスクをヘッジするために同等の製品を複数会社から調達するとしているようだ。


日本企業の対応は?

この考え方は一般にも実は浸透しつつあり、あのデンソーも標準化を進めて豊田独自のラインを少なくしているようである。これは詰まる所トヨタ本体でもそのような考え方(標準品の活用)を浸透させつつある事も伺わせている。その良い例が水素技術の提供などである。あるホンダ系の部品メーカーが、近い時期にトヨタとも取引を始める事を聞いた。

1月5日、トヨタ自動車が取得した燃料電池車(FCV)関連の5680余件に上る特許を、2020年まで公開・無償提供すると発表した。その内訳は、FCVの中核技術である燃料スタック関連が約1970件、水素を保持する高圧タンク関連が約290件、そして車両活用において最も難しいとされるシステム制御関連が約3350件と、FCV製造にとって虎の子というべき技術である。(Business Journal 2015.01.21

アップルだけでなく日本企業も同じ動きに動いて行く事は確実であろう。この事はさらに他業種の参入を促す事になるが、恩恵にあずかるユーザーに取っては良い環境とも言える。



アンドロイドに脆弱性

今年の3月24日付でスマートフォン(スマホ)などに使われる米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」で重大なセキュリティー上の欠陥(脆弱性)があると米セキュリティー大手が指摘したばかりであるが、またしてもアンドロイドにセキュリティ上の脆弱性があることがわかった(8月6日付の日経産業)。

集荷された95%の9億5千万台が影響を受ける。写真屋ビデオ、音声メッセージを再生する「Stagefright(ステージフライト)」に複数の脆弱性が見つかったと言う。SMSで受信しただけで感染するそうだ。


一応の対策

アンドロイド2.2以降が対象端末となる。グーグルは修正ソフトを配信しているようだが一部に留まっているようだ。マカフィーなどがメッセージの自動再生機能を無効化し最新版のOSに甲寸する事を呼びかけているようだ。


今後の課題

この手の話はいたちごっこでもあるが、今後IOT(Internet of Things)時代に大きな問題となってくる。自動車の自動運転にしてもIT化やネット化が進むと乗っ取りなど人命にかかわる課題にもなってくる。便利になるのは良いが、このような脅威に対する対策方針を明確にしておく必要があるだろう。リコール同様以上の仕組みで常に監視し即時に対応する仕組みが確立しない限り普及は難しいのかもしれない。これはある意味インフラ的対応で国家いや国際的な監視組織がいるかも知れない。


2015年8月6日木曜日

ロイターのFTA対応システム SAコンファレンス

企業のグローバル・サプライチェーンと貿易コンプライアンス業務の効率性が向上するように設計されている自動化された貿易管理ソリューション

SAP Automotive Forum Nagoya 2015年8月5日が開催された。前のブログで自動運転など今後の自動車産業の課題に関して書いたが、自動車産業のみならず業務に必要なソフト、ハードなども展示されていた。

その中で、最近煩わしいとされているFTAに対応する為のシステムの紹介があった。殆ど内容は飛ばされたが気になったので共有しておく。それはトムソン・ロイターから提供される「ONESOURCE GLOBAL TRADE FTA」と言うシステムだ。

OneSouece


TPPに代表されるFTAは、コスト削減および マーケットアクセスの改善などの観点からは、企業の競争力に大きく関係してくる。しかし最近では FTA適用輸入に対する輸入国側当局のチェック が厳格化しているのも事実だろう。

強固な社内コンプライ アンス体制を構築した上での利用が、これまで 以上に重要と言える

輸入国当局が原産性に疑義を持った場合、詳細な書類の提出要求や立ち入り検査が行われることもある。FTA利用条件を満たさないと解釈される貨物に対して、原産地証明書が発給されるケースが確認されており、輸入国当局の監視の目は厳格化しているだろう。 

このような煩雑なFTP対応を自動で行う仕組みがONESOURCE GLOBAL TRADE FTA」と言うシステムだ。ITを有効に使う事で、業務の煩雑さを逃れるだけでなく、企業稼働の不利益を回避する事が可能になる。

このシステムはERPなどと連携して使える様インターフェースも準備されている。企業内システムが整備されていない所は、これ以前の問題が多いかも知れないが、関税の問題をクリアすることは、海外で活躍する企業に取っては少なくないリスクだと考える。

自動車産業のイノベーション SAPカンファレンスにて

自動車産業のイノベーション

2015年8月5日名古屋のホテルアソシエで開催されたSAPのAutomobile Conferenceに行ってきた。もしかして会場でニアミスされた方がおられるかも知れませんが。

カンファレンスのセッションでは、いくつかの特徴ある内容があったが、最終セッションでは日経BP未来研究所の鶴原吉郎氏の「つながるクルマ、かしこいクルマが迫る構造変化」が大変興味深かった。iTuneからApple Musicへの変遷から話は始まった。つまり時代はハードからソフト、ソフトからネットへとその活用レベルが上がっており、そもそもハード中心だった音楽の雄SonyのワークマンがAppleのiPodに負けたのが、イノベーションの始まりである事を語った。



テーマはAutomobileではあったが、これまでと同じ形式で事業を進めている日本企業に対する警鐘として、自動車産業への異業種参入などイノベーションが起きている事を分かりやすく語っていた。話としてはGoogleの自動運転を初めとする目新しい内容はなかったものの、考え方として他者を受け付けない日本企業の独自性に関しては、もっと新しい取り組みに対する提案であった。

海外と日本の自動運転の概念の相違

少々気になったのは、Googleを初めとする欧米諸国の自動運転技術は自律型で自動車そのものが完全に自動化されて自走する所を目指している。しかし日本企業の自動運転はインフラ(交差点、その他に埋め込まれたセンサーなど)の利用を前提とした自動車とインフラセンサーとの共同作業で自動化が成り立つものらしい。




インフラと相まった自動運転だとすると、海外への展開を考えていない事になる。およそ売上の大半を海外で稼いでいる自動車産業はその市場を失っても良いと考えているのだろうか?それは無いものの、やはりガラパゴス化体質からまだ抜け切れていないというか独りよがりな考え方が蔓延している危惧を感じた。


2015年8月5日水曜日

アップル、Siriを利用する留守電サービス AIの

「米Apple(アップル)が、音声アシスタント機能「Siri」を使った留守番電話サービスの実験を行っていると、複数の海外メディアが現地時間2015年8月3日に伝えた。
 それによると「iCloud Voicemail」と呼ばれるこのサービスは、iPhoneに搭載されているSiriと連携し、留守番電話をよりパーソナルなものにするという。例えば電話がかかってくるとSiriが応答し、設定に応じ、電話に出られない理由や、あなたが現在いる場所などを相手に告げる。相手が残した留守電メッセージはテキストに変換して、iPhoneに表示する。これにより、多くの音声メッセージを時間をかけて聞く必要がなくなるという。」(日経新聞電子版2015/08/05)

最近AIの記事を載せているが、やはりというか当然というか、アップルがサービスを提供するようだ。SiriはAIの一種で日常でも利用しているが、どちらかと言えば使う側からのアプローチでSiriを利用する形態だった。
記事ではSiriが携帯電話にでる、と言うSiri側からのアプローチに変わっている。私は手が離せない時などは、Siriに頼んでメールを出す事がある。
変換精度は当初のものに比べて遙かに高くなっている。ご変換率もかなり減っている。その意味では口述速記などにも使う事ができる。皆がもっと使う事でSiriはお利口になるだろう。


2015年8月4日火曜日

キヤノン、カメラ生産の完全自動化を発表 - ロボットの活用

「キヤノンは2018年をめどに国内のデジタルカメラ生産を完全自動化する。約130億円を投じ、基幹工場にロボット生産などを研究・開発する拠点を新設。熟練技術者の高度な技能を自動ラインに置き換えてコストを最大2割削減する。国内の製造業は少子高齢化で労働力の減少が進む。人工知能(AI)やロボットによる生産性向上は航空機や食品製造でも始まった。人手に頼らないモノづくり技術で国際競争力を高める試みが広がりそうだ。」(日経新聞電子版2015/08/04)


人工知能AIとロボットについて先のブログで書いたが、本日の日経トップがこの記事だった。多くの企業が生産性を高めて海外リスクの軽減も加味した国内工場の自動化を行っている。
(日経新聞電子版2015/08/04)


中小中堅企業のロボット導入留意点



これを真似て中小企業でもロボットの導入が進んでいるが、一見生産性が上がると思われるロボットの活用も、その稼働率を維持できるかどうかで投資の回収が微妙になってくる。
つまり自社の生産製品もしくは業務形態(大手の下請け、部品メーカーなど)では使う所を誤ると返ってコストが高くなる事が多い。ロボットには稼働させる為のパラメーターが幾つもあって、複雑な動きや生産物に応じた対応ができる。しかしそれを実際使いこなしていない場合も多く、その運用形態を加味した上での導入が必要になるだろう。


とは言え、下記記事にあるように海外リスクを考えると何らかの形で国内補強を検討するのがリスク分散上必要だろう。
中国景気の減速が日本の製造業の業績に影を落とし始めた。ファナックは28日、中国でのスマートフォン(スマホ)需要減少で2016年3月期通期の業績予想を下方修正。日立建機と神戸製鋼所も建設機械が下振れし、同日発表した15年4~6月期決算はともに5割近い最終減益だった。設備投資の鈍化が関連業種に波及した格好で、中国の変調は株式市場の懸念材料にもなりそうだ。

国内では人手が不足していると言うが、広く雇用を考えた場合、非正規労働者や高齢者の活用を今一度見直す必要がでてくるだろう。働きたい環境整備をする上でも工場のロボット化、自動化を推進したうえでの安全性の確保などやれることはまだ沢山あるはずだ。




最近でてきた重い物を持つのを補佐するための装着型ロボットなどの活用もその一つだろう。ロボットと一口で言っても幅広い範囲で活用できる種類がある。産業用ロボットだけでなく身近な利用で生産性を上げるロボットの選定が必要だろう。



ついに銀行も!AIとロボットで挑む三菱東京UFJ

米IBMの認知型コンピュータ「Watson(ワトソン)」の技術導入、支店への人型ロボット配置など、三菱東京UFJ銀行が先進的なIT(情報技術)を活用して顧客サービス強化に取り組んでいる。中略 さらに、クラウドコンピューティングが進展し、自前で全てのコンピュータを持つ必要がなくなりました。ITを事務処理やお客様への定型サービスだけでなく、臨機応変な応対やデータ分析に応用できる時代になってきたのです。(日経新聞電子版2015/8/4 6:30

2015年2月2日 参考資料
IBMと三菱東京UFJ銀行、「IBM Watson」の新たな活用機会を探求コグニティブ・コンピューティングの業務支援の可能性の検討に合意三菱東京UFJ銀行の金融・顧客サービス業務を変革IBMコーポレーション(以下IBM)と株式会社三菱東京UFJ銀行(以下三菱東京UFJ銀行)は「IBM® Watson」を活用した銀行・金融サービス業務の変革を検討することについて、新たに合意したことを発表します。
日本最大級の銀行・金融サービス企業である三菱東京UFJ銀行は、音声認識、画像分析、自然言語処理など銀行業務を変革する新しいコグニティブ・コンピューティング技術の可能性を探求する先進研究プロジェクトに投資をしています。本合意の一環として、IBMと三菱東京UFJ銀行は共同で「IBM Watson」の能力を評価し、コールセンター、支店、ウェブサイト・バンキング・サービス、お客様向けコンサルティング・サービスなど、オムニ・チャネルにおけるお客様とのエンゲージメントの向上を目指します。
本合意により、三菱東京UFJ銀行は、「IBM Watson」を応用する複数の利用シナリオを検討し、新しい銀行サービスのより迅速な提供、お客様対応業務の変革、コールセンター業務のさらなる効率化の推進、コンプライアンスおよびリスク管理の強化、総合的なビジネスの意思決定を改善することなど、銀行業界やその業務がかかえる課題に取り組みます。本合意は、ソフトウェアとサービスを新たなクラウド基盤で展開するIBMと三菱東京UFJ銀行の昨今の取り組みとともに、両社の長期にわたる関係の上に築かれています。

掲題の話題に関しては今年の2月2日にプレスリリースされている。改めて日経新聞電子版で「日経ストラテジ−」の記事を再掲した背景には、
① AIの活用とロボット利用への取り組みが進んでいるから、と考えるか、
② 思いの他進まないのでマスコミとして再掲したのか現実はわからない。

ただこの手のテクノロジーは爆発的に普及すると言うよりは「知らないうちに使われていた」と言う事が多いと思われる。つまり意識することなくAIを使っているのである。丁度クラウドを意識しないで多くのサービスを受けている事実を見れば共通点がわかるだろう。身近なSiriもクラウド型AIと言えるのである。




ワトソンに関しては、「ワトソンから見えて来るIBMの戦略」でも書いたが、多くの企業で採用ケースが増えてきた。ただどこもフィージビリティースタディーの範疇を出ない範囲の使い方である。とは言え、ワトソンが注目される要因はサービスの正確性とスピードアップに貢献できると考えているからだろう。

人型ロボットに関しても、人工知能(認知機能とも言う)がなければタダの人形になってしまう。これを感じたのは、かつてPepperがお利口になるにでも書いたように、単純な年齢を応える事もできなかった事実である。だからソフトバンクは多くの企業と連携しPepperをお利口になる仕掛けを勢力的に行っている。




ワトソンには多くの知識データベースとニューロンに似た仕組みがあるようだが、これも幼児と同じで知識を蓄積してディープラーニングを行う事で思考?に似た判断を行う事ができるようになるのである。


東京三菱UFJが先鞭を付けた感のある表題であるが、実はオーストラリアの銀行ANZ(Australia and New Zealand Banking Group)では、ファイナンシャルプランナーが顧客からの質問への対応に「Watson Engagement Advisor」を利用する。質問に対する理解を深め、迅速に回答を返せるようにすることを目的としている。


Watson Engagement Advisor は、過去の履歴に基づいて顧客に関する知識を深め、顧客が選ぶ場所、時期、方法で提携し、顧客に行動を起こす時点でさまざまな機能を提供する上で役立ちます。その結果、パーソナライズされ、コンテキストに沿った、根拠に基づく対話により、意思決定と成果達成を迅速化できるようになります。

事例を見る限りでは、金融、医療、顧客サービス(恐らくコールセンター的なもの)がその多くを占めている。ある程度パターン化された答えが時間をかければ導き出される内容の業務範囲を超える事はないと言える。

しかし大量データを人が追いかける(長大な論文の整合を調べたり共通点を見いだしたり)場合、見落としがあったり気が付かない事がありえる。その意味では人が苦手な分野でも十分活用が可能になる。

いずれにしてもAI,ロボットはこれからの事業に影響を与える事は必至である。