2015年9月3日木曜日

グーグルのサブスク型音楽サービス「Google Play Music」本日より開始

グーグルが「Google play music」を開始した。月額980円で10月18日までに申し込む事で月額780円になる。これで出揃った感じだが、何を基準にサービスを選ぶのだろうか?

サービス内容としては、クラウドサービスで音楽を5万曲までアップでき色んなデバイスで使うことができる。とかレコメンデーション機能で好みの楽曲を学習して、聞き手に好きそうな音楽を提案してくる。

まあどれも同じようなサービスを行っているし、圧倒的な楽曲と端末をもつAppleに勝てる気がしないが。Google play musicでは、PCからiOSまで全方位で対応しているので、iOSを使っていても、GoogleDriveやGoogleCalendarやらを多用している人には馴染みという意味で使う機会はあるだろう。

2015年8月27日木曜日

ついにアマゾンも!動画「見放題」参戦 日本で9月開始へ

「米ネット通販最大手のアマゾンは9月から、日本で映画やドラマなど動画の見放題サービスに参入する。ティム・レスリー副社長がインタビューに応じ、明らかにした。(朝日新聞デジタル2015/08/27)」

「アマゾンの動画配信サービス「プライム・ビデオ」は、有料サービス「アマゾンプライム」に登録すれば動画を好きなだけ見られるようにする。インターネット通販の日時指定の配送サービスなども使い放題となる。プライムの年会費は3900円で月額にすると325円で利用できる。(日経新聞電子版2015/08/27)」



ついに横綱登場か?ネット配信はアップルミュージックによってストリーミング配信が始まり方向性が決まったが、動画についても同じ流れになっている。こう言った傾向はコンテンツの品質維持に関して多少の疑念は抱く物のこれかれの趨勢になっていくだろう。
リンクに表示されるテキスト

Amazonは特にプライム会員には無償での提供で、これまで安かったNTTのdTVの500円を下回った。筆者は海外ドラマを見たかったのでhuluを使っていたが、映画の量も少なくこれまでのアドバンテージが感じられなくなってきた。


Amazonとしては、プライム会員を増すためのサービスと位置付ける事がデキる。プライム独自の配送サービスでかなりのお得感もあるのだが、さらにこれにサービスを追加して定額収益を確実にするための施策とも言える。したたかなAmazon戦略が見えて来る。

群雄割拠するなかで、どれが一番になるか分かりずらいが、この他にも楽天もサービスを提供しており、競争の激しさが増すだろう。

2015年8月24日月曜日

超小型を実現 液体に沈む「データセンター」 富士通

「同社が構想するのは、プロセッサーやDRAMが載ったサーバーのメーンボードやストレージ、ネットワーク機器全てを不活性液体に沈めて冷却するデータセンターだ。この技術によって、人の背を超えるような高さのサーバーラック20台を、浴槽の半分程度の大きさの液浸槽3~4台に置き換えられるという(図1)。」(日経新聞電子版2015/08/24)

日経新聞電子版2015/08/24


画期的な技術がでてきたようだ。水冷のサーバー自体は珍しい話ではないが、データセンター毎水冷にする発想は素晴らしい。省エネ効果だけでなくオフィスコストも大幅に削減される。この技術はベンチャー企業のExaScalerが開発した技術を使うと言う。

日経テクノロジー(2015/05/12 18:26)

ただ直感的に思うのはメインテナンスなどで不便はないか?だ。空冷では普通の部屋と同じなので当然人がサーバー間を移動できる。ケーブルなどの付け替え、ボードの入替などもやりやすい。しかし水中となれば、サーバー自体を持ち上げるか、人が水中に入るか?面倒があるような気もする。ここで面倒な作業があるとすれば、ここでのコストも考えた上で検討する必要がある。

またそもそも液体を入れる建物(部屋)の構築コストである。通常の空冷に比べてこのインフラコストはかなり大きくなると思われる。また不活性液体がどれくらいの期間有効か?など実際に使えるまでには、まだ時間がかかると思われる。

2015年10月以降に、まずは富士通の社内向けシステムで利用して評価する計画されるそうなので、またこの結果を知りたいものである

2015年8月17日月曜日

犯罪を未然に防ぐ・新しいIT活用

警備会社のALSOKはいわゆるタフスマホをパナソニック製と京セラ製合わせて4000台を投入した。今年の1月である。これ自体は珍しい話でもないが、大量投入である事とこれまでの携帯電話式の指示端末からは大きく飛躍したかつ大型投資である事は注目される事実だ。



今回この記事で注目したかったのは、ITを活かした犯罪予防である。


警備会社と言えば、「事件が起こったら駆けつける」と言ったミッションがメインであったが、これからは違う。「カメラが捉えた要注意人物の顔を「顔認証技術」で瞬時に解析し、あらかじめ不審者の顔を登録してある「ブラックリスト」と照合。カメラに映った相手を特定する。不審者と判定されると、隊員のスマートグラスのモニターやタフスマホにその顔情報が表示され、隊員は不審者を追跡する。(日経新聞電子版2015/08/17)

ALSOKはITを活かした防犯に力を入れていると言われているが、これ程にシステムと隊員を連携させていればかなり高度な利用法を手に入れている。ドローンや自走型ロボットの投入である。またグラス型端末(GoogleGlassのようなもの)も開発済らしい(実装はまだ)。

(日経新聞電子版2015/08/17)


 「つまり、ITの力を最大限に引き出せば、隊員の配置を最適化し、犯罪の抑止効果を高めて事件や事故を未然に防ぐ確率を上げられる。「問題が起きた後にその被害拡大を防ぐ」という従来型の警備の先を行く、予防型の警備に進化できるわけだ。」(日経新聞電子版2015/08/17)

(日経新聞電子版2015/08/17)

海外でも犯罪が置きやすい地域やGPSを付けられている犯罪者の動きなどをMapにドットで表記して防犯、注意を促すアプリなど出てきている。SF的な世界で未然に犯罪が減らせるなら多いに活用して欲しい。ただやり過ぎると人権侵害にも結びつくので慎重な対応は必要だろう。


2015年8月13日木曜日

IBMがMac導入支援サービスMobile First Managed Mobility Servicesを開始

IBMは現地時間201585日、企業における米Apple(アップル)製コンピューター「Mac」の導入を支援する新サービスを発表した。企業が既存のIT(情報技術)インフラに迅速かつ安全にMacを組み込めるようにする。」(日経新聞電子版2015/8/6 23:00

最近AppleとIBMのビジネス連携が目につくようになってきた。ちょっと前だがIBMがMacを導入支援する事になったようだ。デザイン会社などが大量にMacを導入する際、セキュリティを確保しつつ、利便性を高める総合的な管理サービスと言えるだろう。


IBMはレノボにPC部門を移管して、あの丈夫なビジネスPCを手放した。以降ハードに依存しない体質に変更してきたがついにMacをIBM社内でも使う様になっていた。そのノウハウが今度のサービス提供に繋がったようである。

IBMのサービスはいくつもあるが、今回「Mobile First Managed Mobility Services」に加わったようだ。
Mobile First Managed Mobility Services

これはSaaSでもオンプレミスでも提供できるようだが、企業がMacを注文すると設定が事前にされていて、手元に来たらネットワーク経由で個人設定や業務用アプリをダウンロードできたりする仕組みになっている。


このサービスの品質に関しては、「ガートナー社の「Magic Quadrant for Managed Mobility Services」レポートで IBM はリーダーに位置付けられました。2013 年にこのレポートが始まって以来、この「Leaders Quadrant」の位置を獲得した IT サービス企業は IBM のみです。」という事らしい。

http://www.ibm.com/mobilefirst/jp/ja/mobilefirst-for-ios/

iOSアプリの開発なども共同で行っており、ビジネスアプリの品質・量など加速するだろう昨年7月のビジネス提携から本格的に稼働してきた様子がわかる。


リクルートに続き日本マイクロソフトもテレワークへ(ライフスタイルを変える)

「日本マイクロソフトは2012年から、社内でテレワークを実践してきた。プロジェクトや作業目的に合わせて、従業員が座席を自由に選べるフリーアドレスの導入や、オフィス外や国外から社内環境にアクセスできるモバイル活用などだ。同社マイクロソフトテクノロジーセンターの小柳津篤エグゼクティブアドバイザーは「効果を測定したところ、社員1人当たりの売り上げが26%向上した例もある」と話した」(日経新聞電子版2015/08/12)

(日経新聞電子版2015/08/12)
リクルートは「6月から約140人に試験導入したところ、4割以上に労働時間が減る効果が出た。大半が継続を希望しており、10月の全面導入時は少なくともグループで数百人が在宅勤務を選ぶ見込みだ。」(日経新聞電子版2015/08/12)と言う事である
ここに来てテレワーク・在宅の記事が多くなったが、需要なのか?人手不足の解消?なのか定かでは無い。大手企業がこのような取り組みをする一方で、本当に人手の無い中小企業ではこのような措置を取るのが難しいのではないだろうか?またこれらの企業はソフト系企業であり物を作るための生産設備を持たない業種である。

これをもってテレワークの普及を目指すと言われても、政府の言う2013年6月14日に閣議決定した「世界最先端IT国家創造宣言」で提唱している企業のテレワーク導入は難しいと思われる。

ただこのような取り組みの推進が、ワークスタイルの変更を促す機会になることも、ノウハウを蓄積する事も可能になる。生産設備のある工場もロボット化され人が遠隔で監視できるようになればソフト系企業のようにワークスタイルを変える事ができる。また生産関係企業でも管理部門に関してはテレワークができる部分もある。

いずれの場合も、テレワークにおける仕事のやり方、評価の仕方など多くの課題があると思われる。プロセスが見えない分、成果主義に陥る事もあり一概に諸手を挙げて推進できるに至るには時間がかかるだろう。



2015年8月12日水曜日

Appleにみるリスク管理 自動車への考え方

前回SAPのインダストリカンファレンスでもAutomobileがテーマになっていた。世界中で自動車にかかわる動きが変わってきている。特にモーターが使える電気自動車の出現で組み立てが単純化された事もあり、参入障壁が下がったとも言える。

アップルの自動車参入

Appleが自動車産業に参入する事は事実になって来ている。BMWのi3(電気自動車)がベースになるとの意見がある。


ネタ元のManager Magazinによると、アップルのCEOことティム・クックと同社の重役が最近ライプツィヒでBMW i3の生産ラインを視察したそうです。またアップルの視察チームはBMW i3に採用されたカーボンファイバー製ボディなどにも興味をもったそうですよ。BMW i3といえば、ハッチバックの電気自動車。アップルが電気自動車への参入を狙っているのなら、格好のお手本となりそうです。この交渉はまだ合意には達していないそうです。(2015年7月27日 10時00分


アップルのリスク管理とは?

何がアップルのリスク管理かと言えば、それは調達の考え方である。これは実はSAPカンファレンスでも言われていたことであるが、いわゆる標準品の利用である。日本は独自の技術に拘ることがあって、各社最先端の技術を求めて開発にいそしんできた。しかしその技術は会社独自のものになり、そこから調達した部品はその会社独自のもので他社からは提供する事ができない。

調達元がなんらかの要因で部品提供できなく成ったときに、その部品を使って組み立てている企業は製品を作る事ができなくなる。このリスクをヘッジするために同等の製品を複数会社から調達するとしているようだ。


日本企業の対応は?

この考え方は一般にも実は浸透しつつあり、あのデンソーも標準化を進めて豊田独自のラインを少なくしているようである。これは詰まる所トヨタ本体でもそのような考え方(標準品の活用)を浸透させつつある事も伺わせている。その良い例が水素技術の提供などである。あるホンダ系の部品メーカーが、近い時期にトヨタとも取引を始める事を聞いた。

1月5日、トヨタ自動車が取得した燃料電池車(FCV)関連の5680余件に上る特許を、2020年まで公開・無償提供すると発表した。その内訳は、FCVの中核技術である燃料スタック関連が約1970件、水素を保持する高圧タンク関連が約290件、そして車両活用において最も難しいとされるシステム制御関連が約3350件と、FCV製造にとって虎の子というべき技術である。(Business Journal 2015.01.21

アップルだけでなく日本企業も同じ動きに動いて行く事は確実であろう。この事はさらに他業種の参入を促す事になるが、恩恵にあずかるユーザーに取っては良い環境とも言える。



アンドロイドに脆弱性

今年の3月24日付でスマートフォン(スマホ)などに使われる米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」で重大なセキュリティー上の欠陥(脆弱性)があると米セキュリティー大手が指摘したばかりであるが、またしてもアンドロイドにセキュリティ上の脆弱性があることがわかった(8月6日付の日経産業)。

集荷された95%の9億5千万台が影響を受ける。写真屋ビデオ、音声メッセージを再生する「Stagefright(ステージフライト)」に複数の脆弱性が見つかったと言う。SMSで受信しただけで感染するそうだ。


一応の対策

アンドロイド2.2以降が対象端末となる。グーグルは修正ソフトを配信しているようだが一部に留まっているようだ。マカフィーなどがメッセージの自動再生機能を無効化し最新版のOSに甲寸する事を呼びかけているようだ。


今後の課題

この手の話はいたちごっこでもあるが、今後IOT(Internet of Things)時代に大きな問題となってくる。自動車の自動運転にしてもIT化やネット化が進むと乗っ取りなど人命にかかわる課題にもなってくる。便利になるのは良いが、このような脅威に対する対策方針を明確にしておく必要があるだろう。リコール同様以上の仕組みで常に監視し即時に対応する仕組みが確立しない限り普及は難しいのかもしれない。これはある意味インフラ的対応で国家いや国際的な監視組織がいるかも知れない。


2015年8月6日木曜日

ロイターのFTA対応システム SAコンファレンス

企業のグローバル・サプライチェーンと貿易コンプライアンス業務の効率性が向上するように設計されている自動化された貿易管理ソリューション

SAP Automotive Forum Nagoya 2015年8月5日が開催された。前のブログで自動運転など今後の自動車産業の課題に関して書いたが、自動車産業のみならず業務に必要なソフト、ハードなども展示されていた。

その中で、最近煩わしいとされているFTAに対応する為のシステムの紹介があった。殆ど内容は飛ばされたが気になったので共有しておく。それはトムソン・ロイターから提供される「ONESOURCE GLOBAL TRADE FTA」と言うシステムだ。

OneSouece


TPPに代表されるFTAは、コスト削減および マーケットアクセスの改善などの観点からは、企業の競争力に大きく関係してくる。しかし最近では FTA適用輸入に対する輸入国側当局のチェック が厳格化しているのも事実だろう。

強固な社内コンプライ アンス体制を構築した上での利用が、これまで 以上に重要と言える

輸入国当局が原産性に疑義を持った場合、詳細な書類の提出要求や立ち入り検査が行われることもある。FTA利用条件を満たさないと解釈される貨物に対して、原産地証明書が発給されるケースが確認されており、輸入国当局の監視の目は厳格化しているだろう。 

このような煩雑なFTP対応を自動で行う仕組みがONESOURCE GLOBAL TRADE FTA」と言うシステムだ。ITを有効に使う事で、業務の煩雑さを逃れるだけでなく、企業稼働の不利益を回避する事が可能になる。

このシステムはERPなどと連携して使える様インターフェースも準備されている。企業内システムが整備されていない所は、これ以前の問題が多いかも知れないが、関税の問題をクリアすることは、海外で活躍する企業に取っては少なくないリスクだと考える。

自動車産業のイノベーション SAPカンファレンスにて

自動車産業のイノベーション

2015年8月5日名古屋のホテルアソシエで開催されたSAPのAutomobile Conferenceに行ってきた。もしかして会場でニアミスされた方がおられるかも知れませんが。

カンファレンスのセッションでは、いくつかの特徴ある内容があったが、最終セッションでは日経BP未来研究所の鶴原吉郎氏の「つながるクルマ、かしこいクルマが迫る構造変化」が大変興味深かった。iTuneからApple Musicへの変遷から話は始まった。つまり時代はハードからソフト、ソフトからネットへとその活用レベルが上がっており、そもそもハード中心だった音楽の雄SonyのワークマンがAppleのiPodに負けたのが、イノベーションの始まりである事を語った。



テーマはAutomobileではあったが、これまでと同じ形式で事業を進めている日本企業に対する警鐘として、自動車産業への異業種参入などイノベーションが起きている事を分かりやすく語っていた。話としてはGoogleの自動運転を初めとする目新しい内容はなかったものの、考え方として他者を受け付けない日本企業の独自性に関しては、もっと新しい取り組みに対する提案であった。

海外と日本の自動運転の概念の相違

少々気になったのは、Googleを初めとする欧米諸国の自動運転技術は自律型で自動車そのものが完全に自動化されて自走する所を目指している。しかし日本企業の自動運転はインフラ(交差点、その他に埋め込まれたセンサーなど)の利用を前提とした自動車とインフラセンサーとの共同作業で自動化が成り立つものらしい。




インフラと相まった自動運転だとすると、海外への展開を考えていない事になる。およそ売上の大半を海外で稼いでいる自動車産業はその市場を失っても良いと考えているのだろうか?それは無いものの、やはりガラパゴス化体質からまだ抜け切れていないというか独りよがりな考え方が蔓延している危惧を感じた。


2015年8月5日水曜日

アップル、Siriを利用する留守電サービス AIの

「米Apple(アップル)が、音声アシスタント機能「Siri」を使った留守番電話サービスの実験を行っていると、複数の海外メディアが現地時間2015年8月3日に伝えた。
 それによると「iCloud Voicemail」と呼ばれるこのサービスは、iPhoneに搭載されているSiriと連携し、留守番電話をよりパーソナルなものにするという。例えば電話がかかってくるとSiriが応答し、設定に応じ、電話に出られない理由や、あなたが現在いる場所などを相手に告げる。相手が残した留守電メッセージはテキストに変換して、iPhoneに表示する。これにより、多くの音声メッセージを時間をかけて聞く必要がなくなるという。」(日経新聞電子版2015/08/05)

最近AIの記事を載せているが、やはりというか当然というか、アップルがサービスを提供するようだ。SiriはAIの一種で日常でも利用しているが、どちらかと言えば使う側からのアプローチでSiriを利用する形態だった。
記事ではSiriが携帯電話にでる、と言うSiri側からのアプローチに変わっている。私は手が離せない時などは、Siriに頼んでメールを出す事がある。
変換精度は当初のものに比べて遙かに高くなっている。ご変換率もかなり減っている。その意味では口述速記などにも使う事ができる。皆がもっと使う事でSiriはお利口になるだろう。


2015年8月4日火曜日

キヤノン、カメラ生産の完全自動化を発表 - ロボットの活用

「キヤノンは2018年をめどに国内のデジタルカメラ生産を完全自動化する。約130億円を投じ、基幹工場にロボット生産などを研究・開発する拠点を新設。熟練技術者の高度な技能を自動ラインに置き換えてコストを最大2割削減する。国内の製造業は少子高齢化で労働力の減少が進む。人工知能(AI)やロボットによる生産性向上は航空機や食品製造でも始まった。人手に頼らないモノづくり技術で国際競争力を高める試みが広がりそうだ。」(日経新聞電子版2015/08/04)


人工知能AIとロボットについて先のブログで書いたが、本日の日経トップがこの記事だった。多くの企業が生産性を高めて海外リスクの軽減も加味した国内工場の自動化を行っている。
(日経新聞電子版2015/08/04)


中小中堅企業のロボット導入留意点



これを真似て中小企業でもロボットの導入が進んでいるが、一見生産性が上がると思われるロボットの活用も、その稼働率を維持できるかどうかで投資の回収が微妙になってくる。
つまり自社の生産製品もしくは業務形態(大手の下請け、部品メーカーなど)では使う所を誤ると返ってコストが高くなる事が多い。ロボットには稼働させる為のパラメーターが幾つもあって、複雑な動きや生産物に応じた対応ができる。しかしそれを実際使いこなしていない場合も多く、その運用形態を加味した上での導入が必要になるだろう。


とは言え、下記記事にあるように海外リスクを考えると何らかの形で国内補強を検討するのがリスク分散上必要だろう。
中国景気の減速が日本の製造業の業績に影を落とし始めた。ファナックは28日、中国でのスマートフォン(スマホ)需要減少で2016年3月期通期の業績予想を下方修正。日立建機と神戸製鋼所も建設機械が下振れし、同日発表した15年4~6月期決算はともに5割近い最終減益だった。設備投資の鈍化が関連業種に波及した格好で、中国の変調は株式市場の懸念材料にもなりそうだ。

国内では人手が不足していると言うが、広く雇用を考えた場合、非正規労働者や高齢者の活用を今一度見直す必要がでてくるだろう。働きたい環境整備をする上でも工場のロボット化、自動化を推進したうえでの安全性の確保などやれることはまだ沢山あるはずだ。




最近でてきた重い物を持つのを補佐するための装着型ロボットなどの活用もその一つだろう。ロボットと一口で言っても幅広い範囲で活用できる種類がある。産業用ロボットだけでなく身近な利用で生産性を上げるロボットの選定が必要だろう。



ついに銀行も!AIとロボットで挑む三菱東京UFJ

米IBMの認知型コンピュータ「Watson(ワトソン)」の技術導入、支店への人型ロボット配置など、三菱東京UFJ銀行が先進的なIT(情報技術)を活用して顧客サービス強化に取り組んでいる。中略 さらに、クラウドコンピューティングが進展し、自前で全てのコンピュータを持つ必要がなくなりました。ITを事務処理やお客様への定型サービスだけでなく、臨機応変な応対やデータ分析に応用できる時代になってきたのです。(日経新聞電子版2015/8/4 6:30

2015年2月2日 参考資料
IBMと三菱東京UFJ銀行、「IBM Watson」の新たな活用機会を探求コグニティブ・コンピューティングの業務支援の可能性の検討に合意三菱東京UFJ銀行の金融・顧客サービス業務を変革IBMコーポレーション(以下IBM)と株式会社三菱東京UFJ銀行(以下三菱東京UFJ銀行)は「IBM® Watson」を活用した銀行・金融サービス業務の変革を検討することについて、新たに合意したことを発表します。
日本最大級の銀行・金融サービス企業である三菱東京UFJ銀行は、音声認識、画像分析、自然言語処理など銀行業務を変革する新しいコグニティブ・コンピューティング技術の可能性を探求する先進研究プロジェクトに投資をしています。本合意の一環として、IBMと三菱東京UFJ銀行は共同で「IBM Watson」の能力を評価し、コールセンター、支店、ウェブサイト・バンキング・サービス、お客様向けコンサルティング・サービスなど、オムニ・チャネルにおけるお客様とのエンゲージメントの向上を目指します。
本合意により、三菱東京UFJ銀行は、「IBM Watson」を応用する複数の利用シナリオを検討し、新しい銀行サービスのより迅速な提供、お客様対応業務の変革、コールセンター業務のさらなる効率化の推進、コンプライアンスおよびリスク管理の強化、総合的なビジネスの意思決定を改善することなど、銀行業界やその業務がかかえる課題に取り組みます。本合意は、ソフトウェアとサービスを新たなクラウド基盤で展開するIBMと三菱東京UFJ銀行の昨今の取り組みとともに、両社の長期にわたる関係の上に築かれています。

掲題の話題に関しては今年の2月2日にプレスリリースされている。改めて日経新聞電子版で「日経ストラテジ−」の記事を再掲した背景には、
① AIの活用とロボット利用への取り組みが進んでいるから、と考えるか、
② 思いの他進まないのでマスコミとして再掲したのか現実はわからない。

ただこの手のテクノロジーは爆発的に普及すると言うよりは「知らないうちに使われていた」と言う事が多いと思われる。つまり意識することなくAIを使っているのである。丁度クラウドを意識しないで多くのサービスを受けている事実を見れば共通点がわかるだろう。身近なSiriもクラウド型AIと言えるのである。




ワトソンに関しては、「ワトソンから見えて来るIBMの戦略」でも書いたが、多くの企業で採用ケースが増えてきた。ただどこもフィージビリティースタディーの範疇を出ない範囲の使い方である。とは言え、ワトソンが注目される要因はサービスの正確性とスピードアップに貢献できると考えているからだろう。

人型ロボットに関しても、人工知能(認知機能とも言う)がなければタダの人形になってしまう。これを感じたのは、かつてPepperがお利口になるにでも書いたように、単純な年齢を応える事もできなかった事実である。だからソフトバンクは多くの企業と連携しPepperをお利口になる仕掛けを勢力的に行っている。




ワトソンには多くの知識データベースとニューロンに似た仕組みがあるようだが、これも幼児と同じで知識を蓄積してディープラーニングを行う事で思考?に似た判断を行う事ができるようになるのである。


東京三菱UFJが先鞭を付けた感のある表題であるが、実はオーストラリアの銀行ANZ(Australia and New Zealand Banking Group)では、ファイナンシャルプランナーが顧客からの質問への対応に「Watson Engagement Advisor」を利用する。質問に対する理解を深め、迅速に回答を返せるようにすることを目的としている。


Watson Engagement Advisor は、過去の履歴に基づいて顧客に関する知識を深め、顧客が選ぶ場所、時期、方法で提携し、顧客に行動を起こす時点でさまざまな機能を提供する上で役立ちます。その結果、パーソナライズされ、コンテキストに沿った、根拠に基づく対話により、意思決定と成果達成を迅速化できるようになります。

事例を見る限りでは、金融、医療、顧客サービス(恐らくコールセンター的なもの)がその多くを占めている。ある程度パターン化された答えが時間をかければ導き出される内容の業務範囲を超える事はないと言える。

しかし大量データを人が追いかける(長大な論文の整合を調べたり共通点を見いだしたり)場合、見落としがあったり気が付かない事がありえる。その意味では人が苦手な分野でも十分活用が可能になる。

いずれにしてもAI,ロボットはこれからの事業に影響を与える事は必至である。




2015年7月29日水曜日

中国減速が企業業績に影 ファナックやキャノン

「中国景気の減速が日本の製造業の業績に影を落とし始めた。ファナックは28日、中国でのスマートフォン(スマホ)需要減少で2016年3月期通期の業績予想を下方修正。日立建機と神戸製鋼所も建設機械が下振れし、同日発表した15年4~6月期決算はともに5割近い最終減益だった。設備投資の鈍化が関連業種に波及した格好で、中国の変調は株式市場の懸念材料にもなりそうだ。」(日経新聞2015/7/29 2:00

キヤノンは27日、2015年12月期の連結純利益(米国会計基準)が前期を4%下回りそうだと発表した。一部事務機の不振や為替関連費用の増加が響き、12年12月期以来、3期ぶりの最終減益になる。「昨年同様、大変厳しい状況」(田中稔三副社長)が続くが、目をこらせば、わずかに光明も見えてきた。成長軌道に戻れるか、今はまさに正念場だ。」(日経新聞2015/7/29 5:30

結局、景気は自動車以外の産業で良い結果がでていないのではないか?アベノミクス対策に呼応してベースアップなどしたものの、市場の動き、特に中国のバブル低迷は直接日本企業へのインパクトに繋がっている。


東芝の不適切経理の記事にも書いたが、基幹システムだけでは現状は把握することはできないし、恣意性のある数字が作られたら終わりである。しかしこのような事態を引き起こしたのはやはり、予算統制(経理的な狭義でない)における見通しの拙さが起因していると考えられる。予算の編成から統制まで基幹でやっているから良いなどと言う担当者もいるが、それは多くの場合予実績比較で終わっていることが多い。これは大きな企業でもその範疇を超えての見通しができていない。だから当初予算を達成する為に不正をしてまで数字作りに奔走することになる。

少し前にご紹介したエンドユーザーのためのEXCEL強化における製品など自由度の高いシステムをエンドユーザに使わせて現状を集積する仕組みを作っておけば、もっと上層部が柔軟に現場を把握する事ができたと考えている。

要は東芝などの大手でも見せかけの「見える化」を実施していて、現場からの声が数字でもあがってこない硬直したIT利用であったと言う事だ。現状がもっと分かっていれば予算必達とは言え出来ないものはできないとして、日立のような産み出し特別損失などの経理上の処理ができた筈である。

現実をみて対処する事は何も恥ずかしい事では無く、むしろ英断とも言える。それができるような情報処理をしなければならない。情報システム部は実態を届ける事も念頭に各部署をバックアップしていく事が必要である。

2015年7月25日土曜日

ガリバーiPad利用を止めるー miniなくなる影響か?

IT利用では先端企業と言えるガリバーがiPadの利用を止めるようだ。ガリバーはいち早くiPadを査定や営業に取り入れていたが、査定分野ではiPadからiPhoneに移行する。



査定ではiPadのminiを使っており、Appleの次回発表時からminiはデリバリーが無くなった事もあってメインテナンス及びサポートが薄くなるのを懸念した事も変更の理由とも言える。

登場時は熱狂をもって迎えられたアップルのiPad miniですが、先日とうとうアップルスオンライントアから姿を消しました。これで、非Retina液晶のiPad製品はなくなり、オンラインストアではiPad mini 2、iPad mini 3、iPad Air、iPad Air 2のみが販売されています。GIZMODO2015.06.22 15:05より)

現在は携帯電話(ガラケー)とiPadを営業マンに支給している為、特に査定で対象車の細かな写真を取ってそれを送るだけなら画面が大きい必要はそれ程ないとも言える。




iPhoneも6plusなので画面が比較的大きい事と写真機能が高い事に加えて携帯電話も代用できるので、コスト削減にも繋がるだろう。

2015年7月22日水曜日

東芝の不適切会計不正とITの内部統制

東芝の不適切な会計処理はIT不審にもなる


東芝の不正会計処理は、一見ITとは関係ないと思われるが、視点を変えればITは人為的に意図的な数字を作ってしまう事が分かる。その数字は、立派な会計システム及び今回問題になった購買関連システムによって処理された結果だからである。いくら立派なシステムを持っていても正しく使わないと正しい処理ができないのである。

<会計処理のインダストリー4.0は難しい>


もっとITを使って強化すれば良いと言う考え方もある。事実を事実として全てのトランザクションの扱いを制度も含めて統一して処理する仕組みである。しかしこれを実現する為には、インダストリー4.0のように会計処理などが取引先全てと連動されている必要があるし、IFRSの詳細な国際会計処理規則が必要になる。現在の会計処理そのものに恣意性がある以上これを統一することは、インダストリー4.0の実現より難しいと言える。つまり現時点では絵空事になってしまう。

<では如何すれば良いのか>


役に立たない内部統制の仕組み

ではどうすれば良いのだろうか?一番はモラルの問題になるが、東芝のように社長がやったら終わりである。しかもその前任者からの連綿とした悪質な体質と言える。エンロン問題でグローバル会計事務所が仕組んだ不正はその最たるものであった。結果としてSOX法が制定され日本にも導入され金融商品取引法における内部統制監査が入るも、US SOXに比べてお粗末すぎるいわゆるJ SOXではこの先不正は無くならないだろう。

どんなに厳しくしてもゼロになる事はないだろうが、その不正が発見的にでも分かる仕組みが必要になる。当然操作ログは取られているだろうが、主に誰が何をしたかが主体であって、どう処理されているかは分からない。また「処理内容が正しいかどうか」などは見る事が殆どないので(ログにそこまでデータが残ってなない、取られていない)中々発見が難しいと言える。

内部統制の強化は必須

これは制度の問題はなく、企業の問題として実施すべき事項である。US−SOXではCOBITと言うITに係わる統制内容に基づいてIT統制が規則付けられている。J−SOXはかなり運用を軽減させた内容になっているので、制度で内部統制ができていると思ったら大間違いである。現に筆者は両者のSOX整備に従事したが、J−SOXが甘いことは多くの会計士も言及している。

少なくともUS−SOXレベルの統制は必要である。しかしここが自己矛盾する所であるが,統制が厳しいと業務に多くの関門(統制内容)が設置されてスピード感を失う可能性および人的コストがかかってくる。ここで考える必要があるのが、統制では無く牽制である。内部監査論では統制と牽制は対として語られる。統制する前に牽制を十分効かせておく必要がある。

現在統制ばかりが注力されいるが、牽制を効かす必要が出てくるだろう。牽制とは「これをやると知られてしまう」であろう状態を作る事である。監査法人の監査も牽制の一部であるが、企業が監査法人を選んで報酬を支払っている以上、外部監査とは言い難い状況である事は以前から言われている事である。

今回もオリンパスの時も監査法人は恐らく事実関係を捉えていたであろうが、それが公表できない(指摘はしていたかも知れない)のが現状であることを知らなければならない。

ITに牽制能力を持たせるには、AIとは言わないまでも取引事実が会計処理される内容を検証する仕組みを入れていれば、処理がなされた時点で警告もしくは処理後にワーニングレポートで「不合理な会計処理」を提示する事が望ましい。またこのレポートは処理したものでない、第三者内部監査室などが独立性をもって検証するなど工夫が必要である。





2015年7月19日日曜日

エンドユーザーのためのEXCEL強化


ユーザーによるコンピューティング力の向上は業務の効率化に欠かせない。大半は基幹システムなどが業務を担っているし、中小中堅でも業務の基本はパッケージソフトなどが行っている。しかし多くの場合、その業務を補完するためにデータの下拵えにEXCELを多様化している現実がある

EXCELは非常に便利なソフトであるが故に、色んな人が色んな処理を作ってしまう。もうEXCELナシに業務をやろうとしても難しくなっているのが現実だろう。それらの対応に大変優れたソフトがあるので紹介しよう。その名はfusion_placeと言う。


fusion_placeには大きく4つの機能があって



その一番の特徴がEXCEL_Link(上図①)と言う機能である。これはEXCELとデータベースを繋ぐ為のアドオンでEXCELのメニューに追加される。その為他のリボンと同じように扱う事ができ、誰でもEXCELを介してデータベースとの遣り取りができる。データベースをハンドリングするソフトはJAVAで書かれており、非常に多くの機能をもっている。

集計機能を見て見よう


例えばEXCELでは売上総利益の計算は「売上−売上原価」という式をセルに埋め込んで計算されるが、fusion_placeでは式はいらない。なぜなら売上総利益が売上−売上原価である計算ロジックをあらかじめ持っているからである。


またデータベースは、多次元にデータを見る事ができるので、会計期間やセグメントなど複数持つ事がでる。ここ数年のデータの動きなどをEXCELなら元データを何枚(何年分も)もシートに貼り付けて、式を集計シートに書き込んで・・・・と複雑な処理が必要になる。しかしfusion_placeを使うと一枚のシートだけで複数年度を一度にデータベースから取り出して来る事ができる。

これにはユーザーがEXCELに初めて会ったときと同じような感動を受ける。このfusion_placeは60万円/年からと非常にリーズナブルな価格帯であるが、日本を代表する製薬会社も使っている。良いソフトを早く利用して安全で迅速な処理が確保出来ればユーザーのみならず会社の為にも有効と言えるだろう。その他の機能も今後紹介していきたい。


2015年7月4日土曜日

東芝の不適切会計が起きた理由?で思った事

「経営陣が、社内カンパニーや子会社のトップと経理担当から予算の達成状況や事業概況を直接聞き取るミーティングで予算達成を強く求めることがあったという。「予算達成の位置づけが高く、企業統治(ガバナンス)が機能しなかった可能性がある」(田中久雄社長)(日経新聞電子版2015/07/04)

と言う事が言われたそうだが、事実だとしたら数字だけを見て判断した経営陣のミスと言う事が言える。以前TOYOTA Investors Meeting 2015 基調講演にみる豊田章男氏のすごさでご紹介したように「現場を見ること」の重要性を改めて思い知る事態である。

「予算編成と管理」の重要性を私達もいつも提案しているが、それはあくまでも数字を扱う上でのコントロールの強化である。予実を単なる月次比較で無い「見込」ローリング予算に組み込んで期末達成を促す仕組みを提唱しているが、管理会計の強化はそれ自体で課題が終熄させる事で無く、その原因を追及するため、およびどの辺りに潜んでいるかを検証(分析)する精度を上げる事である

東芝の予算達成会議?はどの単位(月次、四半期など)で実施していたか分からないが、数字だけに囚われて何故その数字になったのか(ならないのか)を経営陣が理解しないと行けない。数字が悪い結果であれば、それを単に子会社やカンパニーのトップだけに対策を依存しないで、根本的な戦略の見直しやマーケットの読みの見直しなど、本社トップにしかできないデシジョン、検証をするべきだろう。

任せる事は大事だが、丸投げは宜しくないと言う好例になった。これを回避できるのがやはりトップが現場を知る事であろう。またなんと言っても改竄させるような統制のし方が、根本的に腐っている要因で有ることは間違いがない。

2015年6月16日火曜日

Pepper(ペッパー)をお利口にするには教育が必要

ソフトバンクの肝いりで誕生したPepperに逢う機会ができた。前回のIBMカンファレンスの会場だったが追記しておきたい事があったので記事にした。会場の展示ブースでも一番人気で人だかりがしていた。


Pepperと写真

「案内の情勢が一緒に写真を撮りませんか?」と言われたのでPepperと並んだ際に「頭をなでるとポーズを取ります」と言うので頭を何度かさすってみた。頭頂部にセンサーがあるようだ。いざ写真を写す段になると、ポーズをしているのは私だけになってしまい、肝心のPepperは不動のままだった。

会場がうるさくて認識が難しいとは思うが、もしくは撮影者が不慣れで何かキーワードを言い忘れたか、いずれにしても認識していなかった。何度かやる内にポーズを取るようにはなった。その後Pepperとは会話もしてみた。お決まりの「こんにちは」には即座に反応した。「Pepperはいくつなの?」と尋ねてみた。しかし無反応だった。質問の仕方も変えてみた「Pepperは何歳なの?」。しかしこれにも無反応だった。想定外の質問だったらしい。

Pepperは子供

Pepperはある意味、これまでのPCのようにクリーンな状態であるようだ。動画にあるように様々な目的でプログラムされ、それに応じた動きをする訳で、何に対しても汎用的に対応する事ができる訳ではない。

しかしIBMのWatsonなどのAI(IBMはAIではなく認知機能と言っている:Cognitive Computingだそうだ)を組み合わせる意図は、クイズチャンピオンに勝った幅広い知能で汎用的な対応ができるような意図があるのだろう。

使い方としては、いろんな汎用的な使い方と言うよりも、まずは個別の目的に応じた動きや反応に対応する事になるのだろう。人間のように各種各様なPepperを育てる事ができるようだ。

開発ツールはこちらから

Pepperの開発を始めてみて

2015年6月3日水曜日

IBMは何故Appleを選んだか?


先日IBMのカンファレンスに行った

数ある中で目に付いたセミナーにIBMとAppleのビジネスに関する話があった。「モバイルを起点とした業務改革」という題であったが中身はiOSを何故採用したのか(Appleと提携した理由)など、すでに多くの人が知っていた情報を最近DoCoMoから転職された方が話されていた。


アップルとIBMは何故提携したのか?

これは相互に弱い分野を補填するためと考えるのが無難であるが、では弱い部分とは単にIBMはビジネスでアップルはコンシューマー向けなのでアップルはもっとビジネスへ、IBMはもっと利用者に接近するのが良いと考えたのだろうか?

単純ではないが、IBMはもはやBusiness Machineは利益がでないと考えソフトへとシフトをかけた。汎用コンピュータだけでなくデバイス端末の開発にも乗り遅れて、もはやアップルはもとよりGoogleにもなれない事もあって、IBMにとって利用価値が高いであろう端末メーカーと手を組むことになった。


ワトソンから見えて来るIBMの戦略

いまIBMが力をいれている人工知能Watsonを活用させるに格好な機器は何だろうか?ソフトバンクと提携してPepperに搭載?すると言う方向性は新しいが、普及している端末ではない。

IBMは長大なデーターを餌にするWatsonに与えるためのビッグデータの取り先を持っていない。もはやビジネスと言えども個々人の管理から始まる時代である。個々人の業績、生産性、健康状態、その他諸々のデータが必要になってくる。それらを取得するに必要な端末で各社各様でない仕組みをもっていて、且つ一番普及しているOSを持っている企業はどこか?その答えがアップルである。

いやAndroidの方が市場占有率は高いはずだ、と言われるだろうが。筆者の著作でも書いたがそれぞれの会社が出しているAndroidはAndroidそのものではなく、SamsunのAndroid、SonyのAndroidである。こうして計算していくとAndroidは各社各様の別々のOSと言う事ができファンデーションの基礎部分だけが共有化されていると言える。その視点から同一性が確保されているOSで一番売れているのはiOSと言う事ができる。



IBMはこのOSに着目して、同質な情報を鮮度の高い内に収集してWatsonに食べさせて学習力を強めると言う戦略にでたと考える。事実ワトソンは癌に関する論文数万件を読み込んで研究者が相互に認識できなかった癌に有効なタンパク質を特定したと言われている。多くの情報を解析して統計的回答を導き出す力は相当なレベルになっていると言われている。

AIに関しては前のブログにも書いたが、末恐ろしい反面、人間も進化している(新人類?)事を鑑みると、「考える」という側面で、「考えられたもの」(AI)がそれを超える事はできないのではないか?とも思われる。AIは考えているのではなく、判定しているだけなので、新しいものを生み出す力がある訳ではない(ような気がする)。

Watsonの情報がすべて正しい内容であるならば、相当レベルで進化している。IBMはアップルだけでなく多くの企業とタイアップしてWatsonを育てている。しかし究極は個人端末とWatsonが繋がったとき、Siriではできない多くの事が実現できる。すべてものを「おりこう」にする壮大な戦略がそこにあるように思えた。


2015年4月6日月曜日

AIは脅威になるのか?

日経ビジネス2015年3月30日号

この一覧表はなんだ

いよいよ映画「ターミネーター」の時代がやってくるようだ。2表は英オックスフォード大学カール・フレイ氏らの2013年論文からの抜粋らしいが、これらの職業に属する人(左側)がいたら注意する必要があるかもしれない。近い将来AIにとってかわる確率が高い職業という。右側はAIではできない仕事という事になっている。

グーグルの自動運転技術は、すでに100万km以上走っていて一度も事故を起こした事がないそうだ。どこを走っていての結果かは分からないがかなりの精度を確保しているらしい。と言う事もあって短絡的にタクシー運転手などを入れているのだろうか?ただAIは指数級数的にその機能を上げていると言う。

ブログ2回前にロボットが人に変わると言う記事を書いたが、その根幹はAIである。AIだけでは取って変わる事はできないだろうが、人の仕事に浸食して来る事は確かだろう。AIの研究に投資をしている人は多く、その代表者は以下の写真にある超有名人達である。




イーロン・マスク氏は「AIは核兵器より危険」と指摘している。有益なAI研究を支援するため資金を寄付したと言うが、ビル・ゲイツ氏(中)やスティーブン・ホーキング氏(右)も脅威論を唱える、そうだ。(写真=3点:Getty Images)日経ビジネス2015年3月30日号)

AIは恐ろしいほどの発達をし続けており、それは脅威にも感じる程ではあるものの研究に値する物ある事は確かだし、我々の生活に利便性をもたらすのも分かっている。その先まで考えるかどうかではあるが・・・・。

AIに関する研究に加え学習も盛り上がっているようだ。年額144万円もするMOOCなどあるようだ。経営者や起業者などが参加しているという。もっとAIについて活用方法を考える必要があるだろう。




      

Apple Watchをどう活用するか!


Apple Watchの使い方をビデオで紹介します。というメールが飛んできた。使い方の紹介ビデオでこれまでよりも細かな内容になっている。これをどうビジネスで使うかが課題になるだろう。何故ならiPhoneやiPadが個人ユースだけでなく広くビジネスの現場で応用かつ活用されているからである。より早く合理的な利用方法を考えれば、専用端末よりも格段に安い仕組みを考える事もできコストの削減を可能にする。iPadにおけるレジスター機能、iPhoneよるバーコードリーダー読み取りによる棚卸の合理化など枚挙に暇が無い。


Apple Watchによる現場管理


私が注目しているのは「ビジネス現場で使えそうだ」という点である。数あるウェラブルデバイスでやはり操作性は優れているように思われる。この操作性を活かした方法として、生産現場での使い方を考えている。日経コンピュータによる「超エクセル」特集が組まれたのが約1年半まえだが、その時に事例にでていたヤマハ楽器では、現場の生産状況を把握するために、生産日報のEXCEL手入力からMotionBoradを利用した方法に変更した。

① 前者は生産が終わってから生産日報を作成するため、当該作業に非常に多くの時間を取っていた。
② これに換えて現場の工程毎に完了した時点でiPadの画面から当該作業の完了ボタンを押すだけにした。

①では生産が終わってからしか現状が把握出来ないが、②では生産の途中で状況がわかるため、タイムリーに生産支援など現場を迅速にサポートする事ができた。というものである。またこれらの対応に年間試験試用だけで1000万円の削減ができたと言う。

これまでのデバイス利用よりもっと細かなデータを取得する事ができる。


これをApple Watchに置き換えてみると、今度は個人毎の生産性を把握する事ができるようになる。コンサルティングをやっていると現場での時間集計が困難な状況があることがわかる。これを取得する為には現場の負荷がかかることが多いからだ。しかし一人一人がApple Watchを持っていれば、作業環境時に画面をタッチして終わる事ができる。生産指示変更通知などもApple Watchを通じて生産管理部かどから発信する事もできるので迅速な対応が可能になる。

特に多機能工や複数ラインを担当する作業者の状況は把握しらいが、Apple Watchは一人一つなのでiPadの様な作業で一台より細かい単位で利用する事ができる。

センサーを使えば良いと言う話もあるが、現場の作業は画一でできる所とそうでないものがあるし、センサーでは生産指示などを個人個人に出す事はできない。双方向通信ができて成り立つのでセンサーより合理的である。ラインが変更になってもApple Watchは人が付けているのでセンサーのように再設置は要らない。

この時に重要なのは、現場で如何に簡単に扱えるかだ。これまでのAndroid系のWatchに比べて操作が簡単に使えそうな機能をもったApple Watchは現場でも十分活用する事ができそうだ。導入に当たっては、パイロットモデル工場を選定して実施してみると効率か課題が輪分かってくるだろう。

どなたか一緒にやりますか!

2015年4月3日金曜日

TOYOTA Investors Meeting 2015 基調講演にみる豊田章男氏のすごさ

先日友人のススメで表題の講演をUstreamのLIVEでみた。最近感動という言葉から遠いところにいたが、私は一時的に圧倒的なトヨタファンになってしまった。創業家である故の苦悩もあったというが、創業家であるが故の血を感じる事ができ、この人でないとできない仕事だと感じた。

第Ⅰ部:基調講演「トヨタが考える持続的成長とは」
トヨタ自動車株式会社 取締役社長 豊田章男


KeyWordをまとめて見た

① シンプル&スリム

工場のラインや設備などがモジュール化してあり組み合わせて状況に応じた工程を作り上げる事ができるもの(ビデオ参照)。(これは以前、確かトヨタ出身のテスラ社員が考案したものと類似があったが)工場のシンプル化は変化に対応するだけでなく、新工場を立てる上でのコストダウンにもなるという。トヨタでは40%のコスト削減を実現した。2015/04/03日経新聞にトヨタが中国とメキシコに新工場を建設するとあったがこれらの最新手法が取り入れられるだろう。

② 現地現物

やはり現場主義であること。実際に見て見ないと分からない事はいくらもある。ネットが流行っていて、行った気になれる仕組みは幾つもあるが、カメラに収まらないそれ以外の光景、におい、雰囲気は現地にいかないとわからない。これはトヨタ文化らしく章男氏以外の役員にもそのDNAは受け継がれているようだ。

③ SNS

正直驚いた。が話を伺ってわかった事だが「社長に全ての情報があがってくるとは思いません」と言われた。情報があがるのを待っていては遅いし、その情報もスクリーニングのかかった良い話ばかりでは意味がない。だから自ら情報を取りに行く、と言う。現場の人とSNSを通じて情報をこまめに収集している。「②現地現物」とはいえトヨタぐらいの規模になるとそうそう現地にいける訳ではない。現地に行きつつSNSでも情報を集める。社長は判断が仕事なので現状を知らないといけないと言った主旨の話をされていた。

セキュリティーも大事ではあるがビジネスをやっている以上、有用な手段は使う、と言うスタンスか。余談ではあるがワークスアプリケーションズの次世代ERPのHUEはビジネスアプリでありながら作業者同時のコミュニケーション、生産性を上げるために、SNS機能を搭載している。これも新しい取り組みで面白いと思った。




第Ⅱ部:特別対談「小谷真生子が訊く、豊田章男の本音」
ゲスト 小谷真生子 × 豊田章男


小谷真生子との会談では、彼女が準備不足かグダグダだったが、章男氏の内容は良かった。上のSNSの利用に関しては、この会談の中で出たものである。

私はドイツ車に乗っているが、ちょっと日本人として「これで良いのか?」と思ってしまった。私も以前はトヨタに乗っていたしエスティマが出たときは感動のあまりディーラーにいち早く電話したことを覚えている。しかしボンドカーにもなったオープンカーのドイツ車を買ってから、あまりの楽しさで、それ以来同じドイツ車を乗り続けている。

余談になったが、表題の講演はトヨタの今後というよりは、豊田章男氏の人となりを紹介するに十二分な内容になっている。こんな経営者に運営されているトヨタをうらやむ人達が多くいただろう。

大変勉強になったので情報共有させてもらった。