2013年10月27日日曜日

3Dプリンターとひとり企業について

製造業を作りかえる 「誰もがメーカー」挑む起業家たち

 製造業の再生、グローバル対応、雇用・新たな働き方の創出――。いま日本は3つの難題を抱えている。壁は厚く高いが、知恵と技術で打ち破ろうとする起業家たちがいる。変革の最前線に立つスタートアップ。その秘めたパワー「!」に迫る。(日経デジタル2013/10/7 ) 

カンブリア宮殿で若きひとり会社「ビーサイズ株式会社 ( Bsize Inc. )」の八木社長の話を聞いた。下図はこの会社が注目されるに至った最初の製品LEDスタンドである。このシンプルで斬新なスタイルは秀逸である。脇役で実用的なのにデザイン性が高い。




最近3Dプリンターの話題も多かったが、今ひとつピントこなかった。もちろんメイカーズも読んだ。しかし現実的にどうやって使っているんだ、と言う事が分からない。番組を見て腑に落ちたが、


しかし分かったのは、この社長のバックグランドだった。大阪大学で電子工学を学んで富士ゼロックスで機械工学を体得した。デザインはもともと好きだったようで独学だそうだ。

やはり3Dプリンターが製品を作ってくれる訳ではない。機会として、ひとりでできる可能性が広がったのは確かだが、製品を作るには、特に量産品ならCADが使えなくてはならない。CADは設計を助けてくれるが、設計デザインができないと図面にできない。またこのデータを3Dプリンターで試作できたとしても、それが製品になるわけではない。趣味でフィギアを作るなら個人で楽しめるだろうが、製品となればそうは行かない。しかし試しにと言う人にはAuto deskだろうか。





3Dプリンターも個人がちょっと触ったくらいでは使いこなせないようだ。最初のヘッドの調整や水平維持など、通常のプリンターと同じと思っていたら大間違いである。プリンターと言えば敷居が低いがこれはれっきとした試作機である。メイカーズなどで脚光をあびたが10年前ぐらいから製品化されていたようで、目新しいものではない。


また事業と言う事で言えば、前述のビーサイズはSTROKEが斬新で受入られたから4万円もするスタンドが1500台も出荷できたのだと思う。これが当たらなかったら次の矢を打たなければならなかっただろう。今でこそ無接触の充電装置を木を使って製品化させているが、これからもチャレンジが続く。しかしデザイン性が高く普遍的な製品(スタンドは誰でもつかう)は、大手量産品に埋もれることなく生きていけるだろう。


果たしてこれから事業化する人達に、このデザイン力と設計技術があるか、と言えば難しい場合が多いと思う。でもそんな時はやはり外部の手を借りれば良い。電子工学をでていなくても秋葉原など電気街(どこにでもあるだろう)に行くと電子パーツが沢山売られている。こういう事をしたいと言えば店主が教えてくれる。自分の企画に合わない場合は、メーカーに依頼してみれば良いだろう。

販売が一番厄介だが、製品があれば比較的簡単に独自のネット販売やAmazonや楽天など使って固定費を掛けずに売る事ができるだろう。手数料などかかるが、これは仕方がない。また資金にしても製品があれば分かりやすいので、一般からでも収集する事ができる。所謂クラウドファンディングだが、これも日本で「READY FOR」が始めているので、トライすることができるだろう。

いずれにしても感じたのは、いつの時代も企画力であり実行力だろう。


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