2015年8月12日水曜日

Appleにみるリスク管理 自動車への考え方

前回SAPのインダストリカンファレンスでもAutomobileがテーマになっていた。世界中で自動車にかかわる動きが変わってきている。特にモーターが使える電気自動車の出現で組み立てが単純化された事もあり、参入障壁が下がったとも言える。

アップルの自動車参入

Appleが自動車産業に参入する事は事実になって来ている。BMWのi3(電気自動車)がベースになるとの意見がある。


ネタ元のManager Magazinによると、アップルのCEOことティム・クックと同社の重役が最近ライプツィヒでBMW i3の生産ラインを視察したそうです。またアップルの視察チームはBMW i3に採用されたカーボンファイバー製ボディなどにも興味をもったそうですよ。BMW i3といえば、ハッチバックの電気自動車。アップルが電気自動車への参入を狙っているのなら、格好のお手本となりそうです。この交渉はまだ合意には達していないそうです。(2015年7月27日 10時00分


アップルのリスク管理とは?

何がアップルのリスク管理かと言えば、それは調達の考え方である。これは実はSAPカンファレンスでも言われていたことであるが、いわゆる標準品の利用である。日本は独自の技術に拘ることがあって、各社最先端の技術を求めて開発にいそしんできた。しかしその技術は会社独自のものになり、そこから調達した部品はその会社独自のもので他社からは提供する事ができない。

調達元がなんらかの要因で部品提供できなく成ったときに、その部品を使って組み立てている企業は製品を作る事ができなくなる。このリスクをヘッジするために同等の製品を複数会社から調達するとしているようだ。


日本企業の対応は?

この考え方は一般にも実は浸透しつつあり、あのデンソーも標準化を進めて豊田独自のラインを少なくしているようである。これは詰まる所トヨタ本体でもそのような考え方(標準品の活用)を浸透させつつある事も伺わせている。その良い例が水素技術の提供などである。あるホンダ系の部品メーカーが、近い時期にトヨタとも取引を始める事を聞いた。

1月5日、トヨタ自動車が取得した燃料電池車(FCV)関連の5680余件に上る特許を、2020年まで公開・無償提供すると発表した。その内訳は、FCVの中核技術である燃料スタック関連が約1970件、水素を保持する高圧タンク関連が約290件、そして車両活用において最も難しいとされるシステム制御関連が約3350件と、FCV製造にとって虎の子というべき技術である。(Business Journal 2015.01.21

アップルだけでなく日本企業も同じ動きに動いて行く事は確実であろう。この事はさらに他業種の参入を促す事になるが、恩恵にあずかるユーザーに取っては良い環境とも言える。



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