まったくもってその通り、と言う事をドリームアーツの山本社長は言っている。
「人に会ったり、自分で考えたりするような『価値あるアナログ時間』を増やす目的で、効率化のためにITを導入した。そのはずなのに、多くの企業や社員は膨大なメールをさばいたり、装飾に凝った資料を作ったりすることで逆に時間が奪われ、仕事の質も下がっているのです。我々こそITに使われるのではなく、使いこなすようにならないといけないのです」(Yahoo!ニュース 2014/02/07)最近パワポを使わない企業がぼちぼちある。会議でも言いたいことをWordで箇条書きする方法にした企業もある。パワポはプレゼンテーションツールとして定着しているが、懲りすぎると確かに時間がかかる。しかし文書で書きにくい、表現しにくい所は図表で表した方が良いのだが、絵心のない人が書くと返って何が言いたいのか分からなくなる。
パワホが悪いと言うわけではないが、使い方を統一するなど文書を作る上での標準化が必要である事は確かである。
しかし上記の企業並びにアイリスオーヤマなどでは、営業からもPCを取り上げている。営業とは仕事を取ってくる部署なので、売るためにツールは営業ではなく専門の部隊に表現させる。つまり絵心のある部隊がうまく絵を描き、うまく表現して営業を助ける構図になる。
営業は自分で資料を作成する代わりに、一つでも多くの企業にコンタクトして売り込む数を増やすと言う事だろう。結局どれだけITが進んでもメールだけで仕事が取れる例は見た事がない。モールやネットショップなどはITの世界で完結する事もあるが、それでも店舗をネットでやっている事実を広く知らしめるためにメディアに広告を出したり、新聞社に新製品、新サービスの説明に行ったりと、結局は人が動く事でビジネスが成り立っていることが圧倒的に多い。
IT企業であってもそこは同じで、営業は兎に角人にあってなんぼという事だ。アイリスオーヤマでは、以下の事をやったそうだ。
① 職場の机からパソコンを取り上げ、フロア中央の「島」に集約した
② デスクは頭で考える仕事をする場とする
③ パソコン島はデスクでまとめた内容をアウトプットする作業の場とする
商品企画でもネットでの情報に頼らず、独自で考える事をしているらしいが、それはネットの情報で企画すると、他社でも同じような事をやっていて差別化に繋がらないと言う事らしい。確かにそういう考えもあるかもしれない。
とは言え
これには逆に一般世間で言われていることをネットで確認した上で、それ以外のアイディアを出す努力をしないと、折角出したアイディアがすでにネットに上がっていることもある。それでは逆に時間の無駄になる。一気にPCを使わせないと言う事は、上記の課題に対応するには良いだろうが、営業間のコミュニケーションや資料作成部隊とのやりとりまで、外出先でできないとなると、これは本末転倒になるだろう。タブレットに作成済み資料が送付される、もしくはいつでも資料フォルダーにアクセスできる環境は常に持たせて行かなければ、競業他社に出し抜かれ兼ねない。
業務を分析して、時間の使い方に問題があれば、上記のような措置が効を奏することがあるので、一度試してみるのも良いだろう。筆者のクライアントでもネット接続をやめて、係事に一台だけ接続できるPCを配置したところがある。この理由の多くはコストの問題があったが、特に業務に支障がでたとは聞いていない。
ちょっとした調べ物がネットで出来なくなったのは事実だが、ルーティン業務の人には要らないだろうし、検証、調査をする人はネット接続があったほうがスムーズに業務が進むはずである。やはり常に作業を見ていて適切な対応を切替ながら業務を改善していく事が大事であることをこの記事から改めて教えられた。
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