社説最後の「マイクロソフトには利用者が新OSに移行できるよう注意喚起と支援を期待したいが、利用者には特定企業に依存しないIT環境を構築するチャンスともいえる。会社のシステムを見直すことも含め対応を急いでほしい。」(2014/1/20付日本経済新聞 朝刊)は筆者がいつも言っていること。
XPからの以降を機会に、別の選択を行う事は当然情報システム部として検討しなければ成らない事である。別の選択に関してはこれまでのブログや筆者の小冊子Windows XP終焉対策を転じて業務改善しよう (デジタルブックレット) をご覧頂くと良いだろう。
XPへの移行時間を稼ぐ
これまでのトーンと内容が異なるが、XPをどうしても期日までに別のOSに移行できない場合は苦肉の策として、XPで稼働するPCをスタンドアローンで使用する事だ。スタンドアローンとはLANにWANにも接続させない単独のPCとして使う事を意味する。従ってネットが前提になっている場合は、バージョンアップをするしかない。
■ XPに移行できない理由には、大きく2つあると考えれる。
- 費用の問題
- XP用ソフトの問題
1.の場合は、買い換えられるまで時期を待つしかないが、他のPCへの影響を抑え無ければならない。
① イーサネットネーブルを抜く(LANからからの解除)
② Wi-Fi接続を解除する(WANの解除)
など、社内、社外への接続を解除する事が必要である。この事により社内のデータが漏れたり、外部からウィルスを仕込まれる事もなくなる。しかしそこで作成したデータなどは共有できない。しかし全てがXPである場合は、当面イーサネットへの接続を解除すれば社内LANにしていても問題ない。外部への情報であるメールやネットへの接続はスマホでもできる。
用途としては限られるが以下で利用する事ができる。
① プレゼン用にUSBでデータを持ち込んで使う(実際にこうして使っている企業もある)
② 複写印刷するのにPCに直付けしたドットプリンターを使う
③ 小切手、手形のチェックライタープリンターに直付けして使う
社外のPCから持ち込まれたデータは、ウィルスに感染する可能性がある。この場合、自社データに影響を与えるが、ネットに接続されていないため、流出する事はない。自己責任で実施すれば良い。
いずれの場合もXPを使う限りは注意が必要で、少しづつでもバージョンアップするか、別のデバイスを利用する事が望まれる。
2.の場合、XPでしか動かないソフトを使っている場合は、上位バージョンのWin7,8で使えるようにソフトを改修する必要がある。しかし1.費用の問題もあってできない場合は、類似処理ができWin7,8で稼働するFREEソフトを探したり(XPの時には独自に開発しなければならなかった様なケース)業務方法を変更するなど、そのソフトを使わなくてもできる方法を考える。
① XP用ソフトがないと仕事ができない場合は、資金を工面して改修するしかない
② 似たパッケージ(有償、無償)を探す事で対処できないか検討する
③ Win7,8を使って簡易ソフト(EXCEL,ACCESS,FILEMAKERなど)を使って自作する
もっともこの場合もネットを使うものでなければ、「1.費用の問題」になるような措置が取れれば当分稼働させる事はできるだろう。
XPに移行できない企業が4割以上あると聞いている。大手でも数回に分けて今年に入ってギリギリまで実施する予定の所もある。一私企業の保守体制の影響で多大なコストを使う事は自社にとっては大きなリスクと考える。OSやソフトなどは、統一すれば管理がしやすいが、今回のような事があると多大な金額と労力が必要になってくる。
情報システム部の担当者は、中期的な移行計画を、OSベンダーなどのロードマップを調査して、あらかじめ立案しておく必要がある。また一気に変更するのではなく、変更単位を決めて、平準化するような移行をしておくべきである。
0 件のコメント:
コメントを投稿