2013年12月23日月曜日

3次元CAD、リースで格安 開発スピード加速に一役

「3次元(3D)CAD(コンピューターによる設計)ソフト大手各社が主力ソフトのリース事業を相次いで始めている。数カ月単位でCADソフトを貸し出すサービスだ。製品の設計・組み立てを再現するCADソフトは1つ100万円するものも少なくない。初期投資が膨らむため、3DCADを導入するのは大企業が主だった。柔軟な利用形態を提案することで、中小企業の需要掘り起こしを狙っている。」(2013/12/23 7:00 日本経済新聞 電子版)


米3DCAD大手シーメンスPLMソフトウェアの日本法人(東京・渋谷)は10月、主力CADソフト「ソリッドエッジ」のリース販売(Solid Edge Monthly Subscription)を始めた。1カ月単位で契約できる。ソリッドエッジのパッケージソフトを購入すると100万円程度かかるが、リースでは月1万5000~6万円で使えるようにした。



無料のiPadアプリ「Solid Edge Mobile Viewer」がある。これはCADが使えるわけでは無いが、ソリッドエッジで作成したCADデータを見る事ができる。つまり顧客にiPadで「こんな製品」というデモができると言う事である。中小中堅では作成したものを、売り込むためのプレゼンツールにする事ができる。




そもそもPLMってなんだ。Product Lifecycle Management の略語でフルにすれば分かりやすい。製品の生命管理でも言う意味で、企画・開発から設計生産、製造、販売、メインテナンス、生産打ち切りまでを管理する。またITソリューションを言う事もある。

ここでは、その中でも設計に関連するCADシステムを期間を区切って提供してくれるサービスが始まった事を意味する。リースと言っているが、レンタルの意味で買い取り義務はなさそうだ。契約期間を決めて月額で使えるようだ。個人の技術者でも15,000円/月であれば使えるだろう。ビジネスへの展開チャンスかも知れない。





今年、世界で約30の拠点を構えるCAD/CAMソフトウェア、計測/検査機器向けのソリューションなどを提供する企業英Delcam社を買った(2015年買収完了予定)米CADソフト大手オートデスクの日本法人も9月からリースを始めたようだ。

機械部品の設計用だけでなく、土木建築現場や生産ラインをパソコン上で設計できるCADなど10種類あるそうで、契約期間も1カ月、3カ月、1年間の3つから選ぶことができる。機械向けで月額52,500円という。

利用者には同社のクラウドサービス「オートデスク360」も提供するそうだが、こと設計データを扱う上ではセキュリティー面で心配があるだろう。大企業でもネットを使っては居るが、専用サーバーとVPNもしくは専用線で暗合化してCADデータをやりとりしている。どこまで安全性を期待するか、使い勝手や依頼先との接続性を優先するか、中小中堅企業では、スピードを競うならある程度のリスクを取ることも考えても良いかもしれない。




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