「「ポスト・スマートフォン(スマホ)」との期待から、ここ数年、数多くの製品や試作品が登場しているウエアラブル(身に着ける)機器。メガネ型、時計型などさまざまなタイプがある中で、「これぞまさにウエアラブル」という製品が登場した。センサーを埋め込んだシャツやベビーウエア、ソックスなどの「スマートファブリック(ファブリックは織物や編み物)」である。着るだけで利用者の活動状態をモニターできるため、使っていることを全く意識させない点が大きな特徴だ」(2013/12/27 7:00 日本経済新聞 電子版)
生体モニターの決定版!
動画は、カナダ・モントリオールに拠点を置くOMsignalというベンチャー企業が開発している「OMsignal Shirt」のでモンストレーションである。まずはこの動画を見て欲しい。
センサーはシャツの胸の辺りに帯状に実装されている。センサーは2種類あり、それぞれ加速度計と心電計(ECG)である。加速度計で歩行数を測定し、消費カロリー量を算定する。一方、ECGは心拍数や心拍の間隔を測定する。これらのデータからHRV(Heart Rate Variability)を算出し、ストレスの度合いを把握する。
これが凄いのは、自分の管理だけで無く家族の状況までモニターできる点である。途中で倒れるなどして危険な状態である事を通知できる。
これは救急センターに自動で送る事も可能かと思われるので、苦しくて電話ができない状態でも救急車を自動的に呼ぶことが可能になる。なんとも素晴らしい可能性を秘めているのだろう。
もはやメガネはともかく生体センサー自体の存在がいらなくなる。胸回りに帯状に装着するところは、心拍センサーと同じだが、ポイントはそれをシャツにしたことだ。実際心拍センサーを身につけることは面倒で、圧迫感があるため、運動以外に付ける気にならない。
恐らくこの点を突き詰めていってシャツに思いついたのだろう。考えれば突飛な事でないが、ここまで思いつくほど真剣に考えての結果だろう。
ベビーもモニター
Coming January 2014!
Rest Devicesは米マサチューセッツ州ボストンに拠点を置くベンチャー企業で、「Mimo Baby Monitor」というベビーウエアを開発している。「着物」と関係あるか?赤ちゃんの呼吸をモニターする手順は以下のながれである。
① 画面右下にあるボックス「Turtle」という送信機がセンサーで送信機を兼ねている
「Bluetooth(ブルートゥース) Low Energy」を使っている
② 「Turtle」からアクセスポイント「Lilypad」に無線で送信される
③ 「Lilypad」はWIFIを通してスマホに送信
履くだけのジョギング・アドバイザー
センサーが埋め込まれ、ジョギングのフォームを矯正するソックスも登場している。このソックスは米ワシントン州レドモンドに拠点を置くHeapsylonが開発した「Sensario Fitness」
で、底部に圧力センサーを搭載している。歩数、速度、移動距離、カロリー消費量のほかに、走行ペース、接地方法、体重移動などの状態を測定して、リアルタイムなアドバイスが可能になるという。
ナイキやアディダスがWatch型の生体センサーを出しているが、今後はこのような本当に身につけるシャツの中に組み込む方法が主流になりそうだ。しかし最後のセンサーに関しては結局スマホを腕に付けているので、このソックスとWatch型の組合せが、運動用としては良いのかもしれない。
記事では3つのウェラブルを紹介しているが、今後広くセンサーが繊維に組み込まれていくと便利になりそうだ。OMsignal Shirtのデモ動画であった病院での患者モニターでも通常だと一杯線を付けられて測定器(心拍、血圧など)を付けられいるが非常に負担がかかる筈だ。
これをウェラブルシャツを寝間着にすれば、無線で看護センターに状態を送る事ができるだろう。ただ問題は心拍センサーの件でも書いたが、どの程度の締め付けがあるかだろう。病人だと締め付けられるのは、場合によっては線よりNGかもしれない。
それでも赤ちゃんをモニターする仕組みも他社ではあるが出来ているので、これらのアイディアを纏めていけばきっと良いものが出てくるだろう。ちなみに赤ちゃんセンサーMimo Baby Monitorは、2014年1月(もうすぐ)200ドルで発売されるようだが、実際にどれだけの親が使うのだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿