2014年2月24日月曜日

丸紅がアマゾンへ全面移行 プライベートクラウドは更新せず

丸紅が2014年4月から、米アマゾン・ウェブ・サービスが提供するIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)である「Amazon Web Services(AWS)」への全面移行を開始する(図)。本社だけでなく全世界のグループ会社も含めて、業務システムの全ITインフラをAWSに移行する計画で、最終的にはグループ全体で500台のサーバーをAWSに移
す考えだ。丸紅のような大企業がAWSへの全面移行を決めるのは異例のことである。」(日経コンピュータ2014/02/20)

グローバルレベルで全業務システムを担う500台のサーバーを移行するという。ある意味リスキーだがある意味正しい。リスキーなのは一つのクラウドに全てを任せることの危なさであるが、Amazon Web Services(AWS)の場合複数箇所でバックアップしているので、災害時にも余程IDC(インターネットデータセンター)よりも安全かもしれない。ただ回線経由である事を考えると、中枢の機能の一部は企業によっては持って居る方が良いかも知れない。

クラウド移行に関するメリット


しかしなんと言っても運用コストと管理コストの問題が片づくであろうし、その為の要員、時間の節約になる事は紛れもない。サーバーの移行は物理的なもの以外にOSなどの移行があるがこれが厄介である。来年7月のWindowsServer2003保守切れに関しても言える事だが、全くもってこれが面倒だ。

  1. OSが変わるためにその上に乗っているアプリケーションの動作確認もしなければならない。
  2. リコンパイルの必要が出てきたり、情報システム部だけで対応する事はもはや困難である。
  3. ハードベンダーが主に対応してくれるが、動作そのものに関しては保証の限りでない。
  4. その上厄介なのはデータ移行である。稼働中のシステムで確定した数字も含めて移行しなければならない。これはユーザーでないと確認できないので、ユーザー部門も巻き込んで大がかりな移行計画が必要になる。


これが、各業務に関連して実施されるので、XPの移行どころの騒ぎではない。時間もコストもリスクも高いのである。


これらの事を考えると、中途半端にオンプロミスでサーバーを残すより、全面的にAWSに移行するという考えは極めて正しく、合理的である。ただこの場合も当然BCPに関しては厳しく精査して、業務が止まらない手立ては考えておかなければならない

AWSに関しては、他の競合他社に比べて、クラウドサービスの経験値が高いのと、安価であることが特徴である。このビジネスはアマゾンに取っては副次的なサービスであり他で設ける術がある。これは他社にない特徴である。しかもこのアドバンテージを活かしたビジネスが効を奏して当たっているため、第二の柱に成長している事がある、他を引き離してからそれなりの費用を要求される嫌いはあるが、それはそれでその時点の安心料である。

クラウドを社内で理解して貰う為に


丸紅は2012年から電子メールや情報管理をOffice365に移行していた。その為クラウドサービスに関する受入が上層部も含めてしやすかった環境にあったという。これも大事な事で、一気に進めるとクラウド環境がどう言う物なのか分からないため、反対意見も多く出てくる。丸紅のように搦め手から攻める方法は見習うべきだろう。

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